COLLABORATION , DONATION
6月20日「世界難民の日」に日本初公開!!
詩の朗読フィルム「リスト:彼らが手にしていたもの」
2022.06.20
6月20日は「世界難民の日」
Q-pot.と、KAIJU、Queens Companyは、
UNHCR(ユーエヌエイチシーアール:国連難民高等弁務官事務所)
並びに国連UNHCR協会のもと、詩の朗読フィルム
「リスト:彼らが手にしていたもの(原題:What They Took With Them: a List)」を制作しました。
6月20日(月)「世界難民の日」に合わせて
国連UNHCR協会公式 YouTubeチャンネルにて日本初公開となります。
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もしあなたが突然「難民」になったとしたら・・・。
突如あなたの身に降りかかる紛争や迫害。
そんな時あなたなら、一体何を持って逃げますか?
詩の朗読フィルム「リスト:彼らが手にしていたもの
(原題:What They Took With Them: a List)」 とは?
迫りくる命の危険の中、わずか10分たらずという時間の中で持ち出したものとは?彼らのリストを通じて、ひとり一人のストーリーが見えてきます。言葉の持つ力や、言葉の奥に込められた難民の思いを汲み取りながら、原題「What They Took With Them: a List」の原作者であるジェニファー・トクスヴィグと共に、原作に込められた意図を理解し、一言一句丁寧に、長い時間をかけて翻訳作業を行い、日本語版の詩が完成しました。原作の持つ世界観を壊さぬよう、テンポやリズム、間を大切にしながら、収録された緊迫感のある映像は、きっと観る人の心を突き動かすはずです。
<現在の難民事情>
2022年5月、紛争、暴力、人権侵害、迫害により故郷を追われた人の数が、史上初めて1億人を超えたことが、UNHCRによって発表されました。この驚くべき数は、ウクライナ、その他の地域で起こっている残酷な紛争の影響によるものであり、その数は今現在もなお増え続けています。
<制作の背景と作品に込められた思い>
「難民をより身近に感じ、より深く理解し、そしてより多くの支援に繋げていきたい」
Q-pot.は、難民・避難民を国際的に保護・支援し、難民問題の解決に対して働きかけているUNHCRと、その日本の公式支援窓口である国連UNHCR協会の活動理念に賛同し、「楽しい気持ちや笑顔の連鎖を世界中に拡げたい」というブランドコンセプトのもと、長年に渡りドネーション活動に積極的に取り組んできました。今回は、Q-pot.の思いに、本プロジェクトのパートナーとして、映画やドラマ、CMなど国内外の作品を中心としたキャスティング業務及び映像コンテンツ制作も手掛ける株式会社カイジュウ、そして、アーティストや役者、タレントなどの育成と音楽、映画、舞台、メディアなどの製作及びキャスティング事業を行う株式会社Queens Company が賛同してくれました。
また、多岐に渡るジャンルの映像作品を手掛け、今最も注目を集めている関根光才監督に演出を担当して頂きました。今回のプロジェクトの目的は、日本国内における「難民」の認知度と理解度を高め、一人でも多くの方に「難民」というキーワードに触れていただくこと。そして、何かしらのアクションを起こすきっかけを作ることができればと、純粋な気持ちから2022年1月に制作を決めました。奇しくも、翌月2月にウクライナ情勢が始まり、複雑な心境の中で、さらに制作への思いが膨らみました。
日本では、「カフェ難民」のように造語として現代の社会に存在する「難民」という言葉ですが、私たちは皆様に今まさに世界で起きている「難民」の実情を受け止めて頂き、言葉の真の意味を知ってほしいのです。パートナー企業、スタッフ、キャストの方々、そしてUNHCR 並びに国連UNHCR協会のそんな思いが結集し、日本語版として新たに生まれ変わった詩の朗読フィルム「リスト:彼らが手にしていたもの(原題:What They Took With Them: a List)」が、日本中の人々の心に届くことを、関係者一同心より願っています。
<関根光才監督インタビュー>
Q. 今回、詩の朗読フィルムの監督オファーを引き受けられた時の、率直な気持ち・お考えをお聞かせください。
まず、最初にこれはやるべきだなと思いながらも、自分がやって良いのだろうかという感情が入り混じった感覚でいました。ただ、その時に日本に住む難民の友人の顔が思い浮かびました。そしたらもうやるしかないですよね。
Q. 詩の朗読フィルムを制作するにあたりに国連UNHCR協会様より「難民支援」について勉強会を開いていただきましたが、「難民支援」について学ばれる前後で「難民」に対する意識に何か変化はありましたか?
改めて深刻なことだなと思いましたし、歴史上常に存在していながら普段いかに意識できていないかを感じました。また、難民ということが何を指すのかって、意外に私たちは理解できていないことが多くて。そういった基本的なことも私たちは学校で学べない。すごく重く重要なことだと思うんですけどね。実は今回の朗読の際に勉強会を開いてほしいとは、僕からお願いさせて頂きました。こういったアクションが「偽善的」とも批判されがちな現代、ただこの作品をつくって終わりにするのではなく、私たち制作スタッフや出演者のみなさん含めて、今後の活動の中で、この難民の方々の存在が私たちの生活や社会と地続きのものであること、自分たちにしっかり関わりのある実際の問題として意識できているかが非常に大事だと思ったからです。また、サヘル・ローズさんにも勉強会の終わりにお言葉を頂きました。こういった問題において声をあげるのはいつも決まった少数の人なので、その現状を変えていきたい、これまで声をあげてこなかった人たちからの声を聞きたいという内容のお話だったかと思いますが、それに深く同意し心を動かされました。
Q.実際にリストを目にした時、監督はどのように感じられましたか?
非常に強烈な情景、背景をそれぞれの品から思い浮かべずにはいられません。それを意図し、自分たちの人生に置き換えて難民のひとびとの失われた生活と過酷な現状を思い至れるというのがこの「リスト」の非常に印象的な部分です。特に日本に生きる人間として、私たちはこの77年間、自分たち自身が戦争や政治的な理由で「難民になる」ということはなかなか具体的な経験として感じることがなかったかもしれません。しかし、「逃げざるを得なくなった状況」ということは、東日本大震災など、災害などを通して感じることがあったと思います。その恐ろしいほど切迫した状況のほどをこの「リスト」から伺いしれる時、私たちは難民のひとびとに少しだけでも思いを寄せることができるのかもしれません。
Q.監督だったら何を持って逃げると思いますか?
実はこの質問は非常に難しくて、いまだと緊急時用に用意してあるバックパックになりますね。でもそういうものをもし持っていなかったら、子どもに関するものになると思います。
Q. 映像を創られる際に監督が大切にされたことや、意識されたこと、また注目してほしいシーンやポイントなどがあれば教えてください。
この舞台に立たれた出演者のみなさんも、非常な勇気を持ってご参加されたことと思われます。難民という困難な状況にあるひとびとの言葉を代弁すること自体、非常に重い責務だからです。それを背負って立って頂いたみなさんに、心からの尊敬と感謝を届けたいと思います。そのみなさんがそれぞれの思いを抱えて発せられる言葉をできるだけ丁寧に、しかしダイナミックに撮影することを心がけました。またみなさんのチームワークをできるだけフランクな状態で発揮していただけること、集中していただけることを意識していました。
Q. 「リスト:彼らが手にしていたもの」を観られた方々に一言メッセージをお願いいたします。
日本で生きる私たちの多くは、「難民」ということに思いを近くすることはなかなか難しいかもしれません。しかし日本にも難民のひとびとは住んでいますし、とても困難な状況におかれています。また私たちが街ですれ違うひとびとの中には、かつて難民だった方々が含まれている可能性もあります。私たちの便利で平和な生活、あるいは無関心が、奥底のほうではそういった難民の方々を生み出している可能性すらあります。僕自身みなさんに何か言える立場ではなく、どうやってそういった方々やこの状況を省みて、何かできることがあるのか、僕自身これからも考え行動していきたいと思います。
<作品情報>
・タイトル:「リスト:彼らが手にしていたもの(原題:What They Took With Them: a List)」
・原作:ジェニファー・トクスヴィグ(Jenifer Toksvig)
・訳:松崎悠希
・監督:関根光才
・制作:KAIJU INC./KAIJU FILMS
・プロデューサー:岩上紘一郎、髙野力哉、ワカマツ タダアキ、若菜蓮
・エグゼクティブ・プロデューサー:大岩良江、江守徹大
・キャスト:カトウシンスケ/Crystal Kay/坂巻有紗/サヘル・ローズ/鈴木亮平
TAO/May J./米本学仁/渡部豪太/渡辺真起子 ※五十音順
・パートナー:UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)
特定非営利活動法人 国連UNHCR協会
・協力:UNHCR駐日事務所
< ©2022世界難民の日 パートナーズ>
・Queens Company / 株式会社クイーンズカンパニー
・Q-pot.