突如原宿に現れた、
CHOCOLATEのような佇まいの不思議な館。
9つの部屋からなる
<Q-ROOMS. HARAJUKU>
そんな<Q-ROOMS. HARAJUKU>はどのようにして生まれたのか?
Q-pot.×Age.3×不二心 代表にスペシャルインタビュー!
プロジェクト誕生秘話や、ここでしか聞けないエピソードトークが満載。

■<Q-ROOMS. HARAJUKU>の構想は、いつ頃からスタートしたのですか?誕生となったきっかけや経緯を教えてください。
ワカマツ(Q-pot.)
「世界中に笑顔の連鎖を拡げたい」というブランドコンセプトのもと、今まで頑張って世界へ向けて発信をしてきました。出店をしたり、展示会に参加したり様々やってきましたけど、コロナになりパンデミックを経験して感じたことは、実際今いるこの場所が世界の一部なんだってこと。ロックダウンが明けて、たくさんの海外の方が日本にやってきたときに、ここが発信地でもいいんだと感じました。自分のホームグラウンドの「原宿」で世界から訪れるゲストに対し、全力で発信ができたら、それが「世界に笑顔を届ける」ことなるのかなと思います。「原宿」で実現できたらいいなと考えていた時に、たまたまこの物件に出会って、見るからにQ-pot.で(笑)。ここだったら実現できるかなって思ったんです。それが、ちょうど去年の夏ですかね。そこからは、あっという間で今に至るんですけど(笑)構想が生まれてから、とんとん拍子でここまできました。
■たった1年前からのスタートだったのですね!凄いスピードです。それでは、ワカマツさんが一目ぼれをしたというこちらの物件について、コンセプトやデザイン上のこだわりを教えていただけますか?
ワカマツ(Q-pot.)
もともと雰囲気のあるレンガ造りでしたのでチョコレートのワンダーランドのようなイメージが浮かんできました。建物全体をアミューズメントパークのようにできるなと思いました。奇跡的に9つの部屋なのがQ-pot.らしいなって。9=Qで<Q-ROOMS.>が生まれました。それぞれの9つの部屋の個性を活かした部屋作りがしたいなと。
3Fの3室は宿泊ルームとしてマストで実現したかったので、すぐイメージが固まりました。みんなが大好きなチョコレートであれば、きっと喜んでもらえるだろうなって。あとはテナントさんに入っていただきたかったので、この構想に賛同し喜んでくれるところはどこだろうって考えていたときに、Age.3さんに出会えたんです。

デザイナー・ワカマツ タダアキ
■それが今年の1月15日の話だそうですね!本当につい最近ですね!
中嶋さん (Age.3)
そうですよね。つい、この前!(一同、笑)
■そんな、Age.3との出会いのエピソードを教えていただけますか?
ワカマツ(Q-pot.)
そもそも海外のゲストは、日本のどういうところに惹かれるのかなと思っていた時に、たまたまテレビで『YOUは何しに日本へ?』を観ていたんです。そこでAge.3さんの存在を知りました。「フルーツサンドを食べたい!」という目的で日本に来られた海外の方でした。お店の行列を見て本当に驚いて、それがすごく印象に残っていました。やりたかった世界感ともあっていましたし、Age.3さんが入ってくれたらいいなと思って、お店に突撃オファーを!その時にたまたま中嶋さんがいらっしゃって。すぐにお話をしたら、賛同してくださって、すごく喜んでくれました。それが本当に嬉しくて。何よりも中嶋さんの「人柄」が本当に素晴らしいなと思いました。中嶋さんと出会えて感動したんですよ。それは中嶋さんが紹介してくれた、不二心のベンさんもそうですが、お二人の人間性に惹かれて。一緒に仕事をしたいなと思いましたし、尊敬の気持ちで今回ご一緒させていただきました。中嶋さんはAge.3も美容室の経営もどちらも成功しヒットされていて、トレンドを作られていることが本当に凄いことだと思います。

Age.3代表 中嶋 公治さん
中嶋さん(Age.3)
こちらこそ、ありがとうございます!
トレンドを作ることって「運」だと思うんですよ。運がすごく大きいと思っていて。
でも「運」は努力で近づけることができるから、トレンドを生み出せているのは、やはり努力だと思うんですよね。だから僕はずっと努力をし続けてきました。そうしたら、こんなすごいQ-pot.さんからオファーが来るなんてもう!って感じで。だから、逆なんですよ。僕こそ、お声がけいただいて本当に嬉しかったです。僕とベンさんも、以前から「食」を通じて、日本の文化とか価値を海外に広めたいって話をしていたんです。日本の良さとか、日本のプライドとか、侍魂みたいなものを、世界に届けていかないといけないっていう思いがありました。今はどんどん日本の価値が下がってしまっている気がしてならないんですよ。だからこそ、Q-pot.さんのコンセプトにも賛同しましたし、一緒に世界に笑顔を届けていきたいなって思いました。
■Q-pot.のことは元々ご存じだったのですか?
中嶋さん(Age.3)
お恥ずかしい話、最初にお名前を聞いた時はあまりQ-pot.さんを知らなかったんですよ。ただ、色々お話を聞いていたら、誰もが知る凄い企業とお仕事をご一緒されていることを知って。昔、発売されていたドコモとのコラボ携帯のことを聞いた時に「あ!知ってる!」ってなりまして。(笑)
頑張っていたら、こういう人達から、こんなオファーが来るのかと、僕の方こそ感動しました!
それで、このことをベンさんにすぐ伝えたいってなりまして。
■ベンさんはQ-pot.のことや今回のプロジェクトのことを聞いた時、どう思われたのですか?
ベンさん(不二心)
当時、中嶋さんと一緒に上海に行っていたんですよね。その時に実はこの<Q-ROOMS.>の話を中嶋さんがされたんですよ。「こういったプロジェクトがあるんだけど・・・」って。「Q-pot.の凄さは見ないとわかんない!」って。「会わないとわかんないと思うんだけど!」って言われて。
パッと聞いた感じでは、全然ピンとこなくて。(笑)それから中国から戻ってきたときに、中嶋さんと不二心一号店の場所を車で見に行くことになったんです。

不二心代表 卞光哲さん
■そうなんですね。つまり、このプロジェクトの前に<不二心一号店>出店を検討中だったということですね!?
ベンさん(不二心)
そうなんです。それで、その途中で、こちら(Q-ROOMS.)に一回立ち寄ったんですよ。
単純に、この建物を見たときは、あの・・・なんていうんですかね。飲食をやるには、とても適している場所ではない。普通に考えて厳しいなって思って、5分ぐらいしてすぐサッと行っちゃったんです、僕。
その車の中で、ずっと中嶋さんから熱い思いをビシビシと伝えてもらって。(笑)
是非、 1度でいいからQ-pot.さんに会いましょうって話で、それでお会いすることになったんです。
ワカマツさんに会って、お店(表参道本店)にも行かせてもらって色々説明を受けてみたら、「こんな世界観があるんだ!」って、人生の中で初めての経験だったんですよ。すごくワクワクして感動して。その発想力というか、本当にびっくりしました。
ワカマツ(Q-pot.)
ありがとうございます。嬉しいです。
ベンさん(不二心)
実際にお店の中に入ってみたときに、一番すごいと思ったのは、アクセサリーはもちろんだけど、もうなんか、お客さんがアクセサリーを好きすぎて食べちゃってる!!!みたいな光景で。それって、なんか究極すごいなって思ったんです。お客様の気持ち、わかってんな~みたいな。
「このアクセサリーつけて、もうこれ食べちゃいたい!」とか。
逆の発想で「食べて美味しかったから、つけたい!」とか。
中嶋さん(Age.3)
わかる!なんかすごくその枠を飛び越えたような。そういう“変なこと”をやるのが僕もめちゃくちゃ好きで。やっぱりワクワクすることとか、ドキドキすることが、まず好きだから、なんかそういったものがQ-pot.にはものすごく詰まってると思ったから。好奇心がものすごく溢れちゃって。この感動をベンさんに伝えたいけど、言葉じゃ無理だったんですよ。だから来てくださいって。こういうことって、逆に分からない人にはわからないと思うけど、僕はベンさんなら絶対わかってくれると信じてた!
でもその時期、Age.3は海外もOPENしたばかりで、その後に浅草のOPENも控えていたから、「本当にできるの?どうするの?」ってベンさんに何度も言われて。
■1月15日の出会いから7月12日のOPENまで6カ月弱!このプロジェクトにかける熱い思いが伝わってきました!それでは実際にコンセプトや内装デザインを初めて見たときの印象はいかがでしたか?
ベンさん(不二心):
このアートワークや、おばけを小籠包に乗せてしまう遊び心など、一つ一つのディテールに、この<Q-ROOMS.>にかけるワカマツさんの並々ならぬ思いを感じました。色々アイディアを出していただいてイメージが可視化されていって、よりワクワクしていきました。打合せをして、本当に次の日にはデザインを作ってくれる。それも、ただ早いだけでなく、本気でこのプロジェクトに取り組んでくれているのが伝わってきました。ワカマツさんがこれほど忙しい中でも、毎回すぐにデザインを上げてきてくれることは、当たり前ではないとわかっているので、僕らもちゃんとやらなければ!と思いました。だからこそ、絶対に頑張って、みんなでこのプロジェクトを成功させたいという気持ちがものすごく強いです。

出来上がったばかりのサンプルをチェック中の3人

内装のテキスタイルが様々なグッズに生まれ変わります。
中嶋さん(Age.3)
小籠包におばけのモチーフを乗せるなんて、ワカマツさんじゃないと思いつかない発想ですよね。あれは、もう<Q-ROOMS.>にかけるワカマツさんの半端ない情熱の表れだと僕も思いました。
ワカマツ(Q-pot.)
正直、当初は<不二心>という200年も続く伝統的な老舗に、新しいコンセプトを加えることへのプレッシャーから、このコラボをためらっていました。ベンさんから「ぜひやってください」と声をかけていただいたので、遠慮なく取り組むことができました。

不二心の肉汁溢れる小籠包を頭に乗せたおばけちゃんと
溢れる肉汁をとろ~りメルトで表現した不二心零号店のアート。
200年の歴史を封印していたお札を剥がせば湯気と肉汁が溢れ出します。
ふわふわ浮かぶ雲は、雲吞(わんたん)や湯気をイメージ。
おばけの小籠包のテキストもワカマツオリジナルデザイン。
ベンさん(不二心)
「不二心一号店に繋げていくには、これだ!」と確信しましたね。本当だったら一号店の準備もあるし、Age.3さんも浅草のOPENもあるしどうしようか・・・っていう時期だったんですけど、それでもやりたいっていう想いが勝って、隙間に、ぐっと入ってきました。このプロジェクトに対する気持ちが一番になっていきました。こんな短期間で、全く異なる業界の企業が協力し、これほどのプロジェクトを実現することって、本当に難しいことだと思うんです。これほど大変なことを、職人とアーティストが国を超えて成し遂げることは本当にすごいことです。
中嶋さん(Age.3)
本当にそうですよね!普通なら絶対できない!
ワカマツ(Q-pot.):
このスピード感(笑)
中嶋さん(Age.3)
だけど、このプロジェクトには<Q-ROOMS.>という揺るぎないコンセプトの軸や、ワカマツさんの世界観があるからこそ、みんながまとまることができたと思います。小籠包にも揚げサンドにも、パッケージにも、その世界観が統一されているのは、ひとりのデザイナーが中心にいるからです。
それと、みんな自分のブランドに強い愛情を持っているじゃないですか。ブランドって、娘や息子のように大切な存在なんですよね。その「子供たち」がお互いに仲良くなり、助け合うことで、今回のプロジェクトが成り立っているんだなって思います。

■限定グッズもとてもかわいいですね!
Age.3も不二心も飲食以外の物販を取り扱うのは初めてとお聞きしましたが、いかがでしたか?
中嶋さん(Age.3)
私たちにとって物販の販売は大きなチャレンジの一つです。食べ物のプロとして頑張るのは当然ですが、物販に関しては全くの素人でした。ですが、この物販を通じて、小籠包や肉まん、Age.3が、これまでとは違う層のお客様に届く可能性がありますよね。食べ物だけでなく、身につけたりすることでファンになってもらえる。そうやってマーケットが広がる可能性を強く感じていますし、とても楽しみにしています。もちろん、やったことのないことなので不安はありますが、プロであるQ-pot.さんからアドバイスをもらいながら、新しいマーケットができることにワクワクしています。みんなでブランドに責任を持ち、お互いの看板を背負っているという気持ちで、頑張らなければと思っています。

インバウンドゲストのお土産にも喜ばれそうなAge.3の扇子
■続いてコラボメニューについて伺います。こだわりや、開発秘話などがあればお聞かせください。
中嶋さん(Age.3)
今回のコラボメニューは、めちゃくちゃこだわって作っているんですよ!ワカマツさんの想いやQ-pot.の世界観が隅々まで現れています。Age.3のクレープは、Q-pot.の洋服からインスピレーションを受けているんです。ドレスのフリルみたいな生地の重なりをクレープで表現しました。Q-pot.といったらやっぱりマカロンなので、みんなが知っているマカロンを乗せたいねってアイデアが浮かんできたり。いちご、抹茶、チョコレートの味は、<Q-ROOMS.>の3室をイメージしました。Q-pot.好きな人が「もう、これ食べちゃいたい!」ってなるような、そんなメニューを目指しているんですよ。試行錯誤しながら誕生しました。

Age.3の<Q-ROOMS.>限定メニュー

<Q-ROOMS.>のCHOCOLATE ROOM
ベンさん(不二心)
<Q-ROOMS.>を訪れた時に、何か繋がりを感じてほしいなと思ったので、小籠包の色も3つのルームの色に合わせました。小籠包の色付けは、実は奥が深いんです。濃すぎると食欲はなくしてしまいますしね。色に関しては悩むポイントでした。試作段階では、「この赤は濃すぎるから変えて~!」みたいな感じで、調整を何度も繰り返していました。一体感みたいなものって大事だと思うので、あの可愛い3つのルームの色に合わせてメニューも統一感を出せたと思います。


不二心の<Q-ROOMS.>限定メニュー
中嶋さん(Age.3)
単に美味しいだけじゃなくて、Q-pot.の世界観をまるごと体験できるような、そんなメニューになっているはずです。ぜひ実際に足を運んで、このこだわりを味わってみてください!
■最後に、<Q-ROOMS. HARAJUKU>のこれからのビジョンや叶えたい夢、ゲストに伝えたいメッセージなどはありますか?
ベンさん(不二心)
今回、不二心としては、東京でQ-pot.やAge.3と共にこのプロジェクトに取り組むことで、発信力・ブランド力のある最高のパートナーと組めたことを嬉しく思っています。この発信力があれば、日本の顧客だけでなく、海外の顧客にもいち早くアプローチできると期待しています。このプロジェクトを通じて、新たなビジョンが見えてきました。将来的には、この3社で海外展開もしたいです。ハリー・ポッターのように世界中に拠点を持ち、世界中でこの世界観を展開できたらと夢見ています。まずは、ここ原宿で、若い世代から年配の方まで、幅広いお客様に楽しんでもらえる場所へと発展させていきたいです。
日本に来て20年以上になりますが、「日本と世界の架け橋」となるような仕事もしていきたいです。この不二心の伝統的な味を日本に持ってきたように、日本の良いものを世界に広げていきたい。年齢的にも「第二の人生」として、また新しいチャレンジができることにワクワクしています。

中嶋さん(Age.3)
お客様がどんな気持ちでここに来るのか、どうしたら喜んでくれるのかを想像することが、何よりも大切だと考えています。遠方からわざわざ来てくださるお客様に、最高の体験を提供したいという思いで、一つ一つの商品を丁寧に作ってきました。「食」を通じて、人々に元気や幸せを届けたい。それが私たちの使命です。コロナ禍でデジタル化が進みましたが、私たちは今、お客様が実際に足を運んで体験する「リアル」の価値を改めて大事にしたいと思っています。AIやデジタルではできない、お客様の表情や喜びを直接見ることができるのが、何よりも楽しいからです。このプロジェクトは、ただのビジネスじゃない。みんながワクワクして熱意を持って取り組んでいます。これからの展開にも期待していてください。
ワカマツ(Q-pot.)
僕はQ-pot.のデザイナーを23年間続けてきて、今が第二の創業期だと感じています。今まで衣食住の「衣」と「食」をやってきましたが、今回は「住」という不動産にも関わることができ、Q-pot.の世界観に泊まれる場所を作ることができました。
「原宿」という場所は、旅行者にとってテーマパークのようなものです。僕にとっても特別な場所。ここでQ-pot.のアイテムを身につけて、コラボメニューを食べて、Q-pot.の世界観を堪能して、さらにその思い出を故郷に持ち帰ってもらえれば、世界中に笑顔の連鎖が拡がっていく。
それが実現すれば、私たちの理想に少しでも近づけると信じています。
■ありがとうございました!!!

お互いをリスペクトしながら
自由な発想でルールに縛られることなく、
困難なプロジェクトをありえないスピードで成し遂げてしまった3人。
インタビュー中も「ワクワク」というワードが何度も飛び交い、
自分たちが一番楽しんでいる様子が伝わってきました。
少年のまま大人になったような3人だからこそ、実現したプロジェクト。
その柔らかさとは対照的に
3人からは「幸せを届ける」という
使命にも似た強い意志が感じられるインタビューでした。
<Q-ROOMS. HARAJUKU>から
世界中に笑顔の連鎖が拡がっていきますように!